第十一章「草紙洗い小町」
まかなくに 何を種とて 浮草の 浪のうねうね 生ひ茂るらむ 貞観九年(八六七年)になると小野小町…
まかなくに 何を種とて 浮草の 浪のうねうね 生ひ茂るらむ 貞観九年(八六七年)になると小野小町…
九重の 重き衣を 脱ぎ捨てて ともに寝なまし 山科の宿 応天門事件のような恐ろしい事件があっても、…
この旅は つくづく悲し もの言わず 島がくれゆく 君を思へば ところが世の中は、ままならぬもので…
千早振る 神も見まさば 立ち騒ぎ 天の戸川の 樋口あけ給え 貞観八年(八六六年)六月になると、長…
色見えで 移ろふものは 世の中の 人の心の 花にぞありける 小町が宮仕えに慣れ始めた貞観八年(八…
世の中は 飛鳥川にも ならばなれ 君と我とが仲し 絶えずば 貞観七年(八六五年)秋十月、業平の兄…
名にめでて 折れるばかりぞ 女郎花 われ落ちにきと 人に語るな 小野良実は二人の娘に、美貌であっ…
わが背子を 都にやりて 塩釜の まがきがしまの 松ぞ恋しき 貞観七年(八六五年)三月、小町の父、…
今はとて わが身 時雨に ふりぬれば 言の葉さへに うつろひにけり 初恋の相手が誰かと問われた時…
肥後の国の 男に都より 宮仕への便りあり その男よろこびて 妻むすめと共に 都に向ひけり 『古今…