幻の花

第五章「交野小町」

名にめでて 折れるばかりぞ 女郎花 われ落ちにきと 人に語るな  小野良実は二人の娘に、美貌であっ…

幻の花

第四章「玉造小町」

わが背子を 都にやりて 塩釜の まがきがしまの 松ぞ恋しき  貞観七年(八六五年)三月、小町の父、…

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第三章「初恋小町」

今はとて わが身 時雨に ふりぬれば 言の葉さへに うつろひにけり  初恋の相手が誰かと問われた時…

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第二章「南国小町」

肥後の国の 男に都より 宮仕への便りあり その男よろこびて 妻むすめと共に 都に向ひけり  『古今…

幻の花

第一章「幻小町」

己が身を この世のものに たとふれば 暮れなばなげの 白き花かな  『古今和歌集』を飾る美しい花の…