幻の花

第十九章「四の宮小町」

 貞観十一年(八六九年)正月、在原業平は清々しい新年を迎えた。自分と高子の子供が、天皇になる日を夢…

幻の花

第十八章「卒都婆小町」

 貞観十年(八六八年)十月末、小野小町は出羽の国から帰京し、雉丸を連れて再び母のいる山城の国山科郡…

幻の花

第十七章「帰り旅小町」

 貞観十年(八六八年)秋、小町は出羽に来た時と同じメンバーで、帰京の途についた。沢山の親戚縁者に惜…

桜田に散る

桜田に散る

 第一部 北条氏の関東制覇  戦国に散った武将の一人に大道寺政繫がいる。その政繁を語るには、先ず大…

幻の花

第十六章「桐木田小町」

 翌日、小町一行は、囚われていた陸奥の里に帰る人たちと別れ、出羽に帰る人たちと一緒に、恐ろしい地獄…

歴史小説

『風の多吉』 

 中仙道の傳馬継手の頭領、新井信五郎の子分に、武井多吉という男がいた。彼は安中藩主、板倉勝明の発案…

幻の花

第十五章「みちのく小町」

みるめ刈る あまの行き交ふ 湊路に 勿来の関も 我は据えねど  それから小町たち四人は那珂、高萩な…

幻の花

第十四章「東下り小町」

唐衣きて馴れにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をとぞ思ふ  貞観十年(八六八年)桜の咲く三月、深…

幻の花

第十三章「霧隠れ小町」

霧の中 いづ方なりや 如何せん 小舟に乗りて 川下りけり  貞観十年(八六八年)二月の或る日、侍医…

幻の花

第十二章「里帰り小町」

月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ わが身一つは もとの身にして  神泉苑での雨乞い小町に続いての清涼…