倭国の正体『愛しき人よ』⑥

2021年5月15日
倭国の正体
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■第6章 倭人の国統一への進行

  建安十七年(212年)正月、邪馬台国王邪馬幸は故国、辰国を復活させ、倭人兵約三百名が居留する邪馬台国の租界を設置し、塩土、布津の船に乗って、辰国を離れ、玄雄副将軍、難升米大将ら一行と奴国の志賀の港に帰って来た。奴国王、綿津見はじめ、豊玉姫たちが、邪馬幸たち一行の帰国を喜んだ。特に着岸して、葺不合を抱く玉依姫の姿を見て、綿津見一族の者が歓喜した。豊玉姫が玉依姫と葺不合を奪い合った。邪馬幸はまずは綿津見に帰国報告し、邪馬台国と周辺国との現状を確認した。それから二日して、邪馬幸は奴国にいる豊玉姫と玉依姫に葺不合を託し、邪馬台国に帰った。押雲将軍は麗英皇后によって新しく建設された宮城前に精鋭軍を整列させ、邪馬幸王の凱旋を祝賀した。麗英皇后も、邪馬幸の無事の帰国を心から喜んだ。

「邪馬幸様。お帰りなさいませ。辰国での御活躍、豊玉姫より聞いております。無事のお帰り、おめでとう御座います」

「ありがとう、麗英。留守の間、押雲と共に、よく頑張ってくれた。深く感謝する。お陰で遼東に攻め込まれて、分離分散しようとしていた辰国を建て直すことが出来た。何もかも、お前たちの後ろ楯があったからこその成功じゃ。心から礼を言う」

「何を仰せられます。皇后として出来ることをしたまでです。辰王様は、お元気ですか?」

 麗英皇后は夫の父、辰王のことも気にかけていた。

「父王は元気じゃ。しかし、逃亡生活を繰り返した為か、相当、年老いた。もう昔のような威厳は無い。国民は皆、兄者、烏弥幸に従おうとしている。それを見届け、私も安心して帰って来た」

「本当に良かったですね」

「ああ、本当に行って良かった。ところで倭人の国々との状況は如何か?」

 倭人の国々との状況は、綿津見から、ここへ来る前に聞いていたが、念の為、麗英皇后に聞いてみた。すると麗英皇后は、こう説明した。

「押雲たちの努力により、阿蘇から俯瞰出来る地を、ほぼ統治下に入れることが出来ました。あとは東方にある鬼奴国、巴利国、等弥国、那古国、不死国へと侵攻するだけです。でも、帰国されて疲れておいででしょうから、今後のことは、少し休養なさってからにして下さい」

「そうだな。倭人の国は辰国と異なり、島国であり、東方に果てしなく長い。皇后の言うように少し休養し、兵力を増強してから、東征を実行することにしよう」

「それが宜しゅう御座います」

 麗英皇后は邪馬幸の健康を気遣っていた。邪馬幸は、愛娘、卑弥呼が見当たらないので、麗英皇后に訊いた。

「卑弥呼が見当たらないが、どうしている?」

 邪馬幸は自分と麗英皇后の間に生まれた娘、卑弥呼がいないので、どうしているのか質問した。確か六歳になっている筈。その問いに麗英皇后が答えた。

「卑弥呼と台与呼は午前中、予女から巫女の作法の指導を受け、午後、陳栄から、魏の歴史と漢字を習っております」

「何じゃと。二人はまだわずか、五、六歳の少女ではないか。その二人に、魏の歴史じゃと?」

「はい、そうです。魏に関する歴史です。特に卑弥呼は、魏公、曹操の孫娘です。今や漢帝国は魏、呉、蜀の三国に分立し、我が父、曹操の統治する魏が最も繁栄しているとのことです。そこで私は貴男の留守中、魏に朝貢の使者を派遣しました」

「何と」

 邪馬幸は驚いた。兄、烏弥幸を説得する為、妻、麗英皇后が辰国の支援をすべく、遼東を攻撃するよう魏公に依頼の使者を送ったなどと兄に嘘を並べたが、麗英皇后は、本当に彼女の父、曹操のもとに使者を派遣していたのであった。魏への使者に選ばれた種子と島子は、難升米お抱えの船乗りであった住吉と綿津見の息子、穂高見の指揮する船に乗って、志賀の港から出発して、壱岐から耽羅に渡り、珍島、蘇泰と北上し、そこから帯方の海上、白翎島を経て、山東半島の登州に至り、琅邪経由で許昌に入京、魏の曹操と会見したとのことであった。魏の最高実力者、曹操は、遼東に嫁がせた筈の愛娘、麗英が倭人の国、邪馬台国の王妃として生存していることを知り、卞皇后と共に驚き狂喜した。そして、倭人諸国を統率する印章として、中央に黄金の花芯を持った菊花の紋章を使うよう指示し、息子、曹丕に、使者を饗応するよう命じた。麗英皇后の弟、曹丕は種子と島子から辰国と邪馬台国の関係を詳しく聞き出し、遼東へ圧力をかけることを約束した。また帰国する使者たちの為に、新たに二隻の帆船を造り、その船に魏の使節、陳栄と従者と土産品を積み、送り返したという。その魏の使節、陳栄が、未だ滞在していて、卑弥呼と台与呼は、その陳栄について勉学しているというから驚きであった。麗英皇后は得意になって邪馬幸に話した。

「朝貢の使者、種子と島子は父王の書を携え、魏王の使節、陳栄らを連れ、帰国しました。私への贈り物を船いっぱいに積んで戻って来ました」

「何ということを。魏は遼東の背後にいる敵ではなかったのか?」

 邪馬幸の言葉に、麗英皇后は、目を吊り上げた。

「邪馬幸様。何故、私の父の国が敵国なのですか。邪馬台国と魏国は今や使節を送り合う親善の間柄。今こそ私たちは魏国の力を借り、倭人の国を統一し、更には辰国と協力して、楽浪、遼東を、私たちの配下に治めるのです。そして貴男が、その大帝国の大王となるのです」

「何と壮大な夢を」

「夢ではありません。これは可能な現実です。その偉大な貴男の後を卑弥呼に継がせる為、私は幼い卑弥呼に今から高等教育をしているのです」

「勝手な事を」

 邪馬幸は麗英皇后の夢を笑った。だが麗英皇后は真剣だった。

「貴男が信じないのは最もです。でも、いずれ分かってくれる時が参りましょう。貴男には天孫、東明王の血が流れているのです。私には魏王、曹操の血が流れているのです。民衆を束ねることを天帝が私たちに命じておられるのです」

「そうであったな。辰国は復活したし、残された私の使命は倭人の国の統一である。お前の申す通り、一休みして、早いうちに倭人の国統一を進めねばならぬ」

 邪馬幸は麗英皇后に激励され、新たなる意欲に燃える自分を感じた。

         〇

 建安十八年(213年)、邪馬台国王、邪馬幸は、麗英皇后や押雲、綿津見、難升米らと世界の動向を論じ合い、いよいよ倭人の国統一に向けての長期遠征計画を立てた。陸海両面からの遠征計画だった。そして先ず、先陣として、押雲大将軍とその長子、種子大将及び卑弥国出身の多模大将を指揮者とする陸上部隊を、宇佐から長門国へ、住吉、穂高見ら海上部隊の船を使って送り込んだ。長門国王、向津具王と周防国王、熊毛王は、押雲大将軍率いる騎馬軍団を目にするなり、直ぐに従属することを約束した。続いて押雲軍は安芸国に侵攻した。突然の大軍に安那王は、これまた驚き、反攻することが出来なかった。ところが鬼奴国の宍鬼彦は岩山の頂上に城を構え、邪馬台国軍を待っていた。安芸国からの情報で、押雲軍が来ることを知っていた。種子は部下からの報告を聞き、押雲に伝えた。

「父上、鬼奴国の宍鬼王は、あの山上に籠り我らに対抗するつもりです。如何、致しましょう?」

「愚かな連中じゃ。天は我ら天孫の神である。彼らが天に近づけば近づく程、彼らは神の怒りに触れるということを分かっていないのであろうか」

「天の怒り?」

「そうじゃ。貴奴らは落雷や炎熱により、沢山の兵を失うことになる」

 押雲は鬼奴国討伐に自信満々であった。父、押雲に較べ、息子、種子は慎重な性格の持ち主であった。

「父上、安心してはなりません。調べによると、彼らの背後には巴利国がついております。後方から沢山の武器と兵糧を補給しているとのことです」

 そんな慎重な息子を見て、押雲大将軍は笑った。

「ならばお前は、多模大将と、巴利国を先に攻めよ。山に登った連中は、山の上に放っておけば良い。儂が見張っている」

「そうは参りません。このまま巴利国に侵攻したなら、鬼奴国の連中が山を降り、我らの背後に回り、我らの後陣部隊を攻めましょう。そうなった時、我ら先陣部隊は、孤立無援、敵に囲まれてしまいます」

 心配そうな息子の顔を見て、押雲はまた笑った。

「我ら騎馬軍団は早さに於いて、誰にも負けぬ。鬼奴国の連中が山を降りて来るのを見計らって、一気に方向を変え、再度、鬼奴国軍に向って攻めるのじゃ。巴利国兵は力はあるが攻撃速度が遅く、後方から来る邪馬幸王様の大軍に木っ端微塵にやられるのじゃ」

「成程」

「しかし、問題はその先じゃ。巴利国の向こうには但馬国や丹波国がある。両国は出雲国との関係が深い。また調べによると、丹波国は多賀国とも繋がっており、多賀国王、長髄彦は那古国、等弥国、不死国、胸刺国、毛奴国の五王と同盟を結び、その長となり、出雲出身の大穴持王を倭王と呼び、尊崇しているという。その強敵、長随彦を倒さぬ限り、我らの邪馬幸王様は倭人の国々の王にはなれぬ」

 多賀国王、長随彦。その名は種子にとって初めて耳にする人物の名であった。

「父上は何故、多賀国の長随彦のことを知っているのですか?」

「五年程前、長門国にて、出雲の大穴持王と多賀国の長随彦の下臣兵を捕えたことがある。その下臣兵は、漢の献帝への国書を持っていた」

「漢王への国書?」

「そうじゃ。出雲の大穴持王は倭人の五国の王を束ね、大津の葦原に新都を築き、ようやく倭国の統一を成した。故をもって、ここに尊崇する漢王に対し、朝貢の使者を派遣する。使者、徐延は、かって秦始皇帝、政により、不死国に派遣された方士、徐福の後裔である。倭国王、大穴持王が、如何に漢王に対し、忠誠の心を払っているか、使者、徐延より伺い知って欲しい。忠誠の証しとして、倭国で産出する沢山の宝石と薬草を贈呈する。どうか漢王の慈愛をして、大穴持王を外臣と認め、この大穴持王に倭王の称号を与え給え云々という国書だ」

 それを聞いて、種子は興奮した。その国書はどうなったのか?

「父上は、それを見て、どうなされたのですか?」

「語るまでもない。倭人国の代表は邪馬幸王様じゃ。大穴持王ではない。その場で国書を破棄し、徐延を討った」

「討った!」

 種子の顔色が蒼白になり、曇った。

「徐延を可哀想に思うか?」

「はい」

「総ては邪馬台国の為じゃ。邪馬台国が倭人国、最強の王権を掌握する為には、対抗する国王やその下に仕える有能な人物でも葬り去らねばならぬ」

 父、押雲の考えは当然だとしても、何も使者の命までも奪うことはないではないか。もし、自分が島子と訪漢の途中、父のような人物に出くわしていたらと思うと、ぞっとした。

「すると、大津の葦原の瑞穂城にいる大穴持王は、倭人の国の最高実力者の風格を備える倭王になるような人物なのですね」

「そうじゃ。我ら外来政権が倭人の国を統一する為には、是が非でも、この瑞穂国の大穴持王とそれをささえる将軍、長随彦を討たねばならぬ。これが我ら親子の使命じゃ」

「はい」

 押雲将軍は尚も息子に語った。

「もし、あの時、長門国にて徐延を見逃していたなら、お前と島子は許昌の都の漢王、献帝の前で、自分たちと徐延と、どちらの王が正当であるかを論争していたであろう。結果、献帝宛の国書を持参していなかったお前たちが敗けたであろう。そして下手をすれば、その虚偽を咎められ、もうこの世に居なかったかも知れぬ」

「恐ろしいことです」

「いずれにせよ、我らの使命は、大穴持王とその将軍、長随彦討伐にある。目前の鬼奴国、巴利国のことは当然であるが、但馬国、丹波国、多賀国、瑞穂国のことを忘れるな」

「はい」

「鬼奴国の状況は分かった。彼らが山上に逃避したら、お前は巴利国に攻め込め。儂はこの山の麓で、穴鬼王が下りて来るのを待とう。そして、邪馬幸様に塩土と和邇の船団を使い、海上からお前の戦っている巴利国へ大軍を送り込むよう依頼する。海陸両面から攻撃すれば巴利国は必ず降伏する」

 それからの押雲親子の活躍は凄まじかった。鬼奴国、巴利国は押雲大将軍の騎馬軍団と邪馬幸王率いる大船団の侵攻に対処しきれず、降参した。そして邪馬台国は瀬戸内海一帯を、自国の支配下に治めた。

         〇

 筑紫から巴利国までの邪馬台国の征服計画は見事、成功した。しかしながら、丹波国や多賀国の抵抗は尋常でなかった。特に多賀国王、長随彦は美野国、那古国の兵を使い、山岳から攻撃したり、難波津守の水軍を使って海からも攻撃して来たりした。流石の押雲大将軍も防戦一方であった。その為、邪馬幸王の率いる軍勢は、鬼奴国に陣営を構えて、待機し、長期戦に備えた。戦況の知らせは、日々刻々、邪馬幸のもとに届けられた。押雲将軍や玄雄副将軍、難升米大将、多模大将たちは陸地で戦い、塩土、和邇、穂高見たち水軍兵も海上から勇敢に戦っているが、何しろ敵側の数が多すぎた。敵も兵を失ったが、こちらも一人討たれ、二人討たれ、その数を減じて行くのが現実だった。兵の消耗戦は邪馬幸の望むところでは無かった。無謀な戦いだと知った邪馬幸は、巴利国、鬼奴国、安芸国に屈強の国守を置いて、一旦、押雲将軍らと共に邪馬大国に引き上げた。帰国した邪馬幸は、重臣らを集め、今後の対策を練った。相手に勝つ為にはもっと軍備を整える必要があった。そこで決めたのは大穴持王のいる瑞穂国に攻め込む為に軍船を増強することにした。また陸戦部隊の騎馬を増やす為、阿蘇の牧場を拡大し、馬を育てることにした。鉄剣は勿論のこと、甲冑にも工夫をこらし、増産することにした。そして数年後、再度、東征を試みることにした。一方、瑞穂国の大穴持王は、国難に対処する為、出雲国の一族に使者を送り、邪馬台国と同様の武器を、楽浪の屯有県河西阿から輸入する手配を行った。出雲国隠岐の前島から、竹子島、干山島を経て河西阿港に向かった出雲の使者は、楽浪の張敞との昔からの手蔓を使い、最新鋭の武器を提供してもらう約束を取り付け、その入荷を待つことにした。

         〇

 それから数年経った建安二十四年(219年)、邪馬台国王、邪馬幸は、騎馬を増やし、軍船を追加し、精兵を鍛え、軍を増強し、再度、東征を試みようと検討していた。一方、麗英皇后は魏との交流を深めると共に巫女、予女を通して、精霊や冥界と接触する祈祷や呪術を卑弥呼と台与呼に修業させていた。そんな或る日、海事の長官、島子が会議中の邪馬幸に会いたいと言って来た。急ぎの様子だったので、邪馬幸は麗英皇后や押雲将軍、玄雄副将軍たちのいる会議の部屋に直接、島子を呼んで面会した。

「如何、致した?島子」

「海の向こうから兵隊がやって来ると・・・」

「何。海の向こうから兵隊がやって来るだと?」

 邪馬幸王はじめ、そこにいた出席者の顔に緊張が走った。

「はい。卑弥呼様が、海を見詰めながら、そう仰有るのです」

「そんな馬鹿な。海の向こうは総て我らの出先、任那が監視している。魏国とて、我が皇后の故国であり、お前も陳栄らと交流があろう。この邪馬台国に攻めて来る異国などあろう筈がない」

「そうは思いますが、用心には用心を重ねた方が良いかと思います」

「島子。お前は私に女、子供の言葉を信じろというのか?」

 邪馬幸王にそう言われて、島子は反論することも出来ず、項垂れた。その姿を見た押雲将軍が、島子を気の毒に思い、邪馬幸に助言した。

「島子の報告、信じて悪い事では無いと思います。用心こそ賢明というものです」

 すると邪馬幸は、押雲、お前までもかといった顔をした。そこで麗英皇后が、口を挟んだ。

「押雲将軍の言う通りです。卑弥呼の予言は当たるのです。卑弥呼の黒い瞳を見て下さい。並々ならぬ知恵と霊力の輝きに満ちているではありませんか」

「それは親の欲目というものだ」

 皆に反論されてか、邪馬幸の語気が荒々しくなった。それを見て、何時の間にか麗英皇后の所にやって来て、皇后の片腕にしがみ付いていた卑弥呼が、父、邪馬幸に向かって言った。

「父上様。喧嘩は止めて下さい。私が見たのは夢です。信じるか信じないかは人の勝手。物事は成る様に成るのです。母上様、帰りましょう」

「はい。お前の言う通りですね。帰りましょうか」

「はい。帰りましょう」

 麗英皇后と卑弥呼は捨て台詞を残して、会議室から立ち去った。勝手に現れ、勝手に去って行く親子に、邪馬幸は苦笑した。卑弥呼は会議室を出て、皇后の部屋に戻りながら、母親に言った。

「大人って何故、夢を信じないのかしら?」

 麗英皇后は卑弥呼の言葉に笑って答えた。

「いいえ、卑弥呼。母は夢を信じていますよ。良いですか、卑弥呼。私はお前の耳にたこが出来る程、何度も言いますが、お前の御祖父様は魏王、曹操様という立派なお方なのですよ。私はその魏王と私とお前が、漢の許昌の高楼玉殿の中で会見するのを、何時も夢見ています。私は、その日が来るのを楽しみに信じ、こうしてお前と生きているのですよ」

 麗英皇后は年老いたであろう父、曹操と母、卞皇后を思い出し、涙ぐんだ。

「お母様。安心して下さい。その日は必ずやって参ります。近い将来、その日は必ずやって参ります」

 卑弥呼は望郷の思いにいっぱいになっている母、麗英皇后に慰めの言葉を送った。そんな優しい卑弥呼を見て、麗英皇后は微笑した。