幻の花

第二十章「母恋小町」

 人康親王を失った哀しみの小町に、尚も不幸が襲いかかった。同じ月の五月十三日、小町の母、文屋秋津の…

幻の花

第十九章「四の宮小町」

 貞観十一年(八六九年)正月、在原業平は清々しい新年を迎えた。自分と高子の子供が、天皇になる日を夢…

幻の花

第十八章「卒都婆小町」

 貞観十年(八六八年)十月末、小野小町は出羽の国から帰京し、雉丸を連れて再び母のいる山城の国山科郡…

幻の花

第十七章「帰り旅小町」

 貞観十年(八六八年)秋、小町は出羽に来た時と同じメンバーで、帰京の途についた。沢山の親戚縁者に惜…

桜田に散る

桜田に散る

 第一部 北条氏の関東制覇  戦国に散った武将の一人に大道寺政繫がいる。その政繁を語るには、先ず大…

幻の花

第十六章「桐木田小町」

 翌日、小町一行は、囚われていた陸奥の里に帰る人たちと別れ、出羽に帰る人たちと一緒に、恐ろしい地獄…

歴史小説

『風の多吉』 

 中仙道の傳馬継手の頭領、新井信五郎の子分に、武井多吉という男がいた。彼は安中藩主、板倉勝明の発案…